どうやら今年もテレビアニメで〈アクションシーン〉を見ることはまだ可能であるようだ(『キューティーハニー ユニバース』他)

キューティーハニー ユニバース」(1話,2話)

リブート作品という事で制限される部分、無茶ができる部分があると思うのだが、無茶ができる部分をちゃんと無茶している。1話戦闘シーンの時間感覚など完全にぶっ飛んでいて、絵柄だけではない部分でサイケデリック

単なる隔離空間ではない特異な空間で敵と戦う事、そこから導き出されるワンダーな決まり手を画面で描出した2話のクライマックス戦闘は、「このアニメのアクションの規則」をきっちり提示している。切り裂いた空間が切り裂かれたまま残っている所などもいい。横山彰利監督は昨年コンテを担当していた「異世界はスマートフォンとともに」3話も素晴らしかった。昨年は(「銀の墓守り」と合わせて)「異世界はスマートフォンとともに」3話に「どうやらテレビアニメで〈アクションシーン〉を見ることがまだ可能であるらしい」と救われた部分があったが、「どうやら今年もテレビアニメで〈アクションシーン〉を見ることはまだ可能であるようだ」と、春シーズンになって同スタッフに分からされる事になった。

2話、「水」流のような空間で戦っている所の回想からの現在への場面転換という事で、ボトルの炭酸「水」のアップから現在へ場面転換…というのがあるのだが。こういう「上手いがまぁ(映像に関わる人間なら)これくらいはやるだろう」という所をわざわざレビューのようなもので褒めるべきかどうかいつも悩ましい。こんな所をわざわざ褒めると失礼に値するのでは?という意味で。

ウマ娘プリティーダービー」(1~4話)

変わった事は何もやっていないように見えて、なぜか気持ちよく見れてしまう。走るというのは歌ったり踊ったり戦ったりに比べてシンプルな運動の反復で、勝ち負けもはっきりしている。そういうものを改めて見守ってみることの気持ちよさがあるのか。競技の試合そのものがシンプルなのが分かっていると、その外側で勿体つけた事をやってしまいそうだが、展開にそういう勿体つけた部分もなく、爽やか。4話、トレーナーを4人並んで蹴り飛ばす所の勢い、良い。

ハイスクールD×D HERO」(1話)

CMで下準備がされていたおかげで「歌…?」というセリフで「まさか…」となれる。よりもいの後にまで流しまくった甲斐があったというもの(TV視聴者にしか関係ないが)。

それはともかく、分かるような分からないような人物が突然現れて、空をとんでいるもの(竜)を指差して何かを言い、すぐ去っていくのが格好良かった。