最近(2020年1~3月)行った銭湯(船堀 あけぼの湯 、池袋 稲荷湯 他)

幡ヶ谷 第二かねき湯

京王新線初台〜幡ヶ谷の中間あたりにあるマンションタイプの銭湯。ボディソープ・シャンプーはフロントで下駄箱の鍵と交換で借りるというあまりないスタイル。下駄箱の鍵の番号は利用者が記憶する必要が。休憩スペースは十分くつろげる広さがあり、アイスも売っている。立地的に狭そうだとか勝手に思っていたが、そんな事はなく結構ゆったりしている銭湯だった。

新庚申塚 ニュー椿

都営三田線で言えば西巣鴨から巣鴨方向の間、都電荒川線新庚申塚駅のすぐ近くにあるマンション銭湯。白山通りに面した建物壁面に巨大な「ニュー椿」の文字があるので見逃すことはない。壁面の文字に対しエントランスはそれほど大きくないが、脱衣所・浴場は広々。屋外露天には打たせ湯もある。温浴設備重視でサウナ/交互浴勢に評価が高い銭湯らしい。設備に対して意外にもボディソープ・シャンプー設置はない。休憩スペースはソファー&テーブルの必要十分スタイル。銭湯の休憩スペースで最近気づいた事だが、相撲中継の立会いが始まるとなかなか人が離れず混み合いがち。

桜上水 月見湯温泉

桜上水の駅南側、下高井戸方面にある温泉銭湯。笹塚にも温泉銭湯があり、仙川にも銭湯ではないが料金安めの温泉施設があったり、京王沿線はお手頃価格の温泉が充実している。世田谷区で銭湯価格の温泉とくれば…という事で行った日も無茶苦茶賑わっていた。

浴場は都内ではどちらかといえば少数派の、中央にいろんな種類のお風呂が配置され、外周が洗い場というタイプ。ボディソープ・シャンプー設置あり。脱衣場に縁側があり、こういう銭湯はちょっと得した気分になる。休憩スペースも申し分なし。帰路は下高井戸駅へ。駅の構造と運行の都合上桜上水の方が止まる列車は多いが、駅前は下高井戸の方が賑わっている。下高井戸駅は停車する電車が少し傾く感じと脇に世田谷線がくっついている感じが良い。

船堀 あけぼの湯

船堀で温浴施設といえばカラオケまねきねこの系列施設「天然温泉まねきの湯」(以前行った時はビデオゲーム筐体がゲームコーナーにあったが今はどうなっているやら)が有名だが、温泉を生かした銭湯も2カ所あり、あけぼの湯はそのひとつ。

しかしまず荒川沿いを散歩してから当の銭湯に向かう手前で発見した、駄菓子屋が総合メディアショップの皮を被ったような店に心を奪われる。恐らくメイン商材はTCGデュエルスペースに集まる子ども向けの駄菓子、そしてAV。もう単に置いてるだけで一時期から品揃えが刷新されている気配のない新品・中古ゲームや古本の類に囲まれたデュエルスペースで盛り上がっている子供たちから、幕一枚を隔ててAVスペース。店内にはDSの光の4戦士FF外伝の販促タペストリーが。店内のあちこちにそれぞれ違ったポイントで時を止めてしまった空間が偏在している中、TCGと集まる子どもたち、駄菓子、そしてAVだけが現在を生きていた。

本題のあけぼの湯は、面構えからすると明らかに狭そうなのだが、ロビー横にはお食事処完備。そして浴場内部に入ると最初一瞬「これだけ?」と思ってしまうが脇に2階への階段が。「そうか、1階2階の二層式でトントンなんだなー」と思って2階に上がるとトントンどころか2階だけで普通の銭湯以上のスペースがあり、普通にゴージャスな銭湯であることが判明。櫓付きの寝湯や渦を巻く円形牛乳酵素風呂など変わり種もある。帰りは船堀タワーことタワーホール船堀の展望台(無料!空いてる!)から夜景を。件の店といい濃い街だ、船堀。

池袋 稲荷湯

池袋といえば桃仙浴場をはじめ西方面の銭湯が次々と消えていった過去が思い出されるが、駅から歩いて行ける範囲にまだまだ銭湯は残っている。「首都高高架下沿いの古本屋は駿河屋(池袋乙女館)になったか…」などと東池袋の変化に感慨を漏らしつつ目的地へ。乙女ロードの先の串カツ田中を通りがかると中に女性客しか見えず、世界にはこんな串カツ田中もあるんだなとも。

目的地付近には半分が商店になっている銭湯「ゆラックス」もあり、こちらは知り合いが近くに住んでいた事があって何度か行ったことがあるが、今回の稲荷湯は初めて。この周辺は池袋という一大ターミナル駅からの距離にしては「都区内の住宅街」然としているが、この稲荷湯もそれに合わせてか「住宅街のアットホーム銭湯」な雰囲気を漂わせている。脱衣場でボディソープ・シャンプー設置なし…は割と豊島区には多いパターン。番台型の、脱衣場でくつろぐタイプ。池袋散策から思いつきでいける都心のエアポケット。さきの串カツ田中のように、乙女で埋まる日は来るのか。

文京区 大黒湯

戦後復興計画の環状3号線が唯一計画通りに開通した区間(つまり「本来こうあるはずだった東京の道」の姿が見られる)「播磨坂」に桜を見に行った帰りに寄った銭湯。茗荷谷方面からひときわ目立つお茶の水女子大学の国際交流学生プラザの建物を横目に春日通りを新大塚の方へ歩いていくと、大通りに面するザ・銭湯な建物が。大通りに面する銭湯はマンションタイプな事が多いので意外。入口はフロントだが、中は高い天井に脱衣所が広く取ってある旧来式。脱衣所→浴場の扉は衝撃の自動ドア。構えからは望外のシャンプー・ボディーソープ設置も嬉しい。内側から上を見るとトレードマークの八角形の湯気抜きがある。件の播磨坂のような「こんな所が」な散歩スポットが多い文京区散歩のお供に使える本格銭湯だ。