12年ぶりのマジック・ザ・ギャザリング公式フォーマット大会(モダン)の日々

昨年(2021年)春のMTGアリーナのモバイル版の配信や「懐古スタン」大会への出場をきっかけに、アリーナでスタンダードをプレイしたりカード屋回ってカード買ったりと、初代ゼンディカーあたりで離れて以来*1MTGに触れる日々が始まった。だが本格的に「復帰した」と言う為にはまだ大きな課題が一つ残っていて、それが公式フォーマットのリアル大会への参加だった。

少しずつカードを買い集めて*2昨年秋頃にモダンのデッキは完成したのだが、そのまますんなり「さあ大会出まくろう」とはならないのが何かと腰の重い自分で、しばらくはMTGアリーナモバイル版をきっかけに再度MTGを触り始めた弟(こちらは初代ミラディンブロック以来の復帰)が完成させたモダンのデッキとフリープレイしている日々が過ぎるうちにうっかりお互いパイオニアのデッキも完成させてしまいこちらも含めてフリープレイ、そうこうしているうちにそれぞれのフォーマットの2つ目のデッキも完成してそれもフリーで回して…とかやってるうちになんだか身内プレイが居心地が良くなってしまい、しばらくは弟と2週間に1度くらい会ってモダン&パイオニアをフリーで回す日々が続いていた。

だが「それなりにお金かけてカード買っておいて2人で回してるだけってのもどうか」と流石に今年2〜3月あたりに思い始め、「4月末の晴れる屋TCモダン杯をひとつの目標として4月頭から晴れる屋TCのモダン大会に出て調整していこう」という方針が3月の末に兄弟間で決定されたのであった。

自分がモダンにてメインで使うつもりで初めに完成させたのは、「環境で最強の、火力を詰んだアグロをいつも握りたい」という思いと、¥5000/1枚 超えのカードを使わなくて済むリーズナブルさ(重要)を両立させられるデッキ、赤白バーン。このアーキタイプが強いらしいということが、モダンへの参戦を後押ししたと言ってもいい。

実は以前マジックの構築戦から離れた時に楽しく使ってたのも当時のスタン(ローウィン〜コンフラックスああたり)の赤白バーン寄りのデッキ*3だったのでこのカラーパイには縁があるとも言えるのだが、現代マジックかつモダンともなると色々と桁違いで、何せ当時はノーデメリット3マナ4点火力でビビってたのが、今や1マナで撃てる/撃ち得る3点火力や2マナで生物と本体両方に飛び得る3点火力や2マナでデメリット無しで本体に4点入るインスタント火力といった強力火力が目白押し(一応裂け目の稲妻や稲妻のらせんなど懐かしい面々もリストに名を連ねてはいるのが復帰組的として嬉しい部分ではある)。速攻orヘイト能力持ちのクリーチャーたちが1枚あたり4点程度稼いでくれれば、土地でライフが減りがちな環境である事もあり、あとは本体に火力を投げていけば4ターン目くらいには高確率で相手が倒せるようになっている。
一方、フリープレイ相手の弟がメインで使い始めたハンマータイムもふとした瞬間に人が死ぬ「モダンwith現代マジック」の怖さを体現しているデッキで、フリープレイの段階でモダンのエクストリームな怖さはある程度味わう事が出来た。

…とはいえ偏ったデッキでフリープレイしていただけのモダン経験で、果たしてどこまでモダンの荒波に抵抗出来るのか…

不安をよそに12年ぶりの認定フォーマット大会にして、初のモダン大会(12年前モダンはまだなかったので当然)に参加する日はやって来た。3回戦の大会 FNM(フライデーナイトマジック)。去年懐古スタンの時に自分が存在すら知らずに使えず、紙に対戦表が張り出されることとなったMTGコンパニオンは、今回はちゃんと準備してたぞ。

-1回戦-
1本目、後手だが申し分ないゴブリンの先達スタートのハンドをキープ。相手の初手は…ゴブリンの先達!いきなりミラー!この場合後手ゴブリン先達で殴らないのが正解と動画で見た気がするので素直に実行。大歓楽の除去り合いで除去られた大歓楽の上から2枚目大歓楽貼り直しなどもあり勝利。
ここで後手戦を制したのが大きく、2本目順当に相手先手ゲーで負けた後の3本目順当に自分先手ゲー&相手後手ヴェクの聖別者があまり機能しない流れで勝利。
◯✕◯

-2回戦-
現モダントップメタのイゼットモンキー戦。1本目相手事故で勝ち。
2本目も相手土地詰まり気味だったが、ラガバン宝物スピアー構え粘りからの濁浪という黄金パターンでギリギリ押し切られる、ラガバンの初洗礼を受けた形の敗北。
3本目は個人的にグダグダだったのだが、細かい流れ覚えられないくらい泥臭いゲームになり勝利。予想通り、「お互いが試される」デッキだなという印象。
◯✕◯

-3回戦-
ゴブリン先達スタートで相手トップ部族の炎がめくれ、デッキがドメインズーと分かるのは早かったが、蓋が開き始めると山火事の精霊やボロスの魔除けが入っているかなりアグレッシブな構成。土地が痛いデッキなので圧倒的有利かと思いきや、爆発力で割と際どいところまで追い詰められた上の僅差の勝利。
2本目、サイド跳ね返す掌で5/5カヴーのアタックを返して勝ったと思ったが、フラッド気味のドローでもたついて序盤に黄昏の享楽撃たれた分の差が取り返せず、とどめの一手が打てないまま火力で押し切られてしまう。
3本目は相手が色マナ面の問題で最速でカードプレーしていけないドメインズーらしい展開でこちらが速度勝ち。
◯✕◯
というわけで



12年ぶりの認定大会&初のモダン大会、3-0!
モダン経験のなさを、古の経験の蓄積とデッキリストや記事読むのが好きな事でギリギリなんとかカバー…出来てるのか?
(弟は0−3と苦戦…やはりミラディン以来だとカード知識の面で辛いようだ)

出場までの腰が重かったリアル大会も、いざ出てみれば「これまでなんで離れてたのかが謎」となるレベルで面白く、その後も着々と3回戦大会に参加。

復帰2回目の大会はきちんと「洗礼」を受けることに。
スタン時イマイチ使われなかったゴブリン(ボガートの先触れとか)がモダンでイキイキしてて嬉しくなった。

この日はライブラリーアウトに初手フェッチ切ったら精神壊しの罠3発撃たれて3キルされた(マッチには勝ったが)のが良い思い出に。

ソリューション見つけたい癖でチャンドラの焼却者試したが、やはりモダンではイマイチな印象。
この日はMTGはちょくちょくプレイし続けているものの最近はEDHやってるくらいで大会には出ていないらしいかつての知り合いが、「モダンの大きい大会(MMMなど)が近い」という事で来ていて、2年ぶりの大会でカスケードクラッシュでサラリと3-0していった。マッチングで席隣りになり昔のように並んでマジックしていて「10年跨いで、結局またこうなったかぁ」と変な笑顔に。
余談だが「MTGはプレイし続けてるけどEDHしかやってない(言い過ぎ?)」かつての知り合いは多く、対戦相手に最近復帰したんですよ的な話する度に「帰って来てみたら昔の知り合いはみんなEDHしかやってない!」を連呼しています。

以前負けたゴブリンの人に勝利。火力を当てなきゃいけない生物把握したのが幸いした。
アミュレットタイタンは、バーンでは無理だと思った。
タッチ緑でアタルカの命令を試したが、土地が痛くなるのを埋めるほどのメリットはない印象。

青白コン最終戦はミスりまくった上で(刺殺絢爛で撃てる所で撃ち忘れるとか酷い)勝ってしまったので本当に…でも昔だったらアグロでミスった上でロングゲームにもつれ込む展開だと即自暴自棄になって負けてた気がするので、年取って粘り腰メンタルが身についたとも言える。
で、さしあたっての目標だった4/29モダン杯。ここまで大会出てきて当たった事が無い=対戦経験を積めなかったトップメタのデッキがまだかなりあるのが不安材料。参加者の73人の7回戦!

1回戦 タメシブルーム×◯◯
1本目は生物に当てる火力無い以外は良い初手キープしたら4キルされた
3本目は徴募兵からのブレンタン炉の世話人*43枚乗り越えて勝ち

2回戦 ハンマータイム ××
弟との対戦で散々分からされてるマッチアップ。跳ね返す掌ケアされながら攻められる展開になったら終わり

3回戦 青白コン ◯×◯
チャリスにきっちり粉々当てたり噛み合いがよく勝ち

4回戦 リビングエンド 〇〇
初リビエン戦。1本目相手1ランドキープからサイクリングでも土地引かず勝ち。2本目もブン回りで勝ち。
5回戦 イゼットモンキー(マークタイド) ◯××
2本目後手で相手初手ラガバンをボルトで焼くか迷って焼かなかった他、様々なプレイングが響いて負け。3本目はキープ基準が雑なのが一因となり負け

6回戦 リビングエンド ◯×◯
3本目は白力線出されて終わった(割り切ってサイドにエンチャント破壊積んでませんでした)かと思ったが、なかなか続唱リビエン撃たれないので「!?」となりながら生物で殴り続けているうちに溶岩の撃ち込みを自分に撃ち込めば速槍パンプ出来る事に気づいて決行したりした後、最後はボロスチャームダブルストライクモードで勝ち。やはりリビエン全部引いてしまったとの事。7マナに辿り着かれると青生物素出しモードがあるので、火力自分に撃ち込んで速槍パンプは大正解。本日のハイライト

7回戦 カスケードクラッシュ ◯×◯
1本目は相手初手クラッシュ待機で、計2枚大歓楽貼ったら待機明けのクラッシュで4点入って勝ち。

終結果…5−2。復帰後初のフルサイズな大会で、5回戦目あたりから今何回戦目だっけ?的テンションになる感覚を久々に味わった。あと1勝でベスト8ラインだったが、ひたすら運が良かったマッチもあったし、イゼットモンキー(マークタイド)戦は本当にプレイングで負けた感があるので、負けて清々しい。イゼットモンキー、返す返すも「お互いが試される」デッキだ。

普段は休日大会に出れる機会が少ない生活なので、GW中に5回戦大会 レッツ5モダンにも参加



モダン神挑戦者決定戦は休み取り損ねて参加できず…1ヶ月前にここまで「大会出たい」テンションになってることが予想出来れば取れない事はなかったのだが…なんというか甘かった。

で、GW明けの5月上旬


モダン神挑戦者決定戦に出られなかった分頑張って2回連続で3−0して、心持ち的には復帰譚第一章 -完-

12年の時を越えて公式フォーマットの大会に出る日々を過ごした訳だが、展開が早くて短いターンの間に緊張感が高密度圧縮されてる今のモダンの空気とその中でのバーンのポジションは、もしかすると過去のMTGよりも自分に合ってるかもしれないと思った。昔とは違う次元のMTGに出会えて、復帰したかいがあったというもの。

復帰してみて感じるのは、マジック・ザ・ギャザリングというゲームがこちらの想像を超えて大きなものになっていること。1年中複数フォーマットの大会が開催されている空間が成立しているという事実がまずとんでもないし、自分が以前離れる頃に徐々に流行り始めていた*5カジュアルフォーマット:
統率者戦(EDH)の大発展などもあいまって、競技大会参加だけに囚われずに自由な距離感・スタイルでMTGを遊ぶ空気も昔より醸成されてるように思える。報奨プログラム無くなってたり、全対戦記録が見れたあの素晴らしいポイントシステムが無くなってたり*6思うところは色々あるが、それぞれのペースで遊べるインフラが整って来ているのは素直に喜ばしい。おかげさまで3回戦大会だけとはいえモダンの大会に参戦していく日々は現在も継続中。今後はバーン以外のデッキも触っていき、大会出てないがデッキは何種か組んでるパイオニア*7の大会にも挑戦…出来るかなぁ。とりあえず、次のモダン神挑戦者決定戦には絶対参加したい。

*1:離れている間もトーナメントシーンや環境を支配してるデッキ・カードをネット記事で時々チェックしてはいたが

*2:モダホラ2発売直前のシングル相場落ち着いてた時期に動き始めてたのはデカかった

*3:地獄火花の精霊、火山の流弾メイン4、炎の投げ槍etcで相手の苦花で減ったライフを詰めていく、フェアリーを絶対殺すために作られたデッキ

*4:バーン引退からのバーン復帰組としては「またお前か!」となる生物

*5:当時賛否両論あったのが今となっては懐かしい

*6:この辺コロナ完全収束・紙イベント本格復活の暁に整備される?

*7:モダンよりカードは安めだけどメタが割と早めに回るので意外とついていくのが大変そう