2016-01-01から1年間の記事一覧

2016年のテレビアニメ傑作回を振り返る

『鬼斬』 第3話 「博多炎上」 何がシン・ゴジラだ、こっちは全長570mだぞ。立ち向かう対策本部が行き着いた作戦は、限られた時間の中で襲来怪獣の性質を的確に分析したうえで立案されたことにおいてヤシオリ作戦に勝るとも劣らない。宙吊りにされたワインボ…

作品を「問い」に変えずに「ここ」に踏みとどまること

作品について、本当は「"ここ"(ある具体的な、画面・音・言葉の連なり/広がり)が良かった」というだけの感想がもっと言われていいのだといつも思う。しかし「"ここ"が良かった」というだけの感想は、単にそれだけでは、言表の資格を持たず、「ここ」が「どう…

クラーナハ・デュシャン・ベケット

ちょっと前にクラーナハ展(これまで問答無用で「クラナッハ」だと信じていたのにこれからはどっちの呼称を使えばいいのだろうか)を見て来たら、デュシャンのスケッチ(?)が2枚ほど展示されていた。デュシャンについてはちくま文庫のインタビュー本を一冊読ん…

面白いと思わなくてもいい「自由」「隙間」「あそび」に向かって

保坂和志が"「面白い」という事がたいして重要な事だとは思わない"という風な事を書いている文章があるらしいのだが、あるムックにしか入ってない文章らしく、まだ読めていない。 それはさておき、ある種の「面白い」作品に"これは「面白い」というより単に…

年に一度はこういう事があるからテレビアニメを見ない訳にはいかない/「遮るもの」が演じる運動―『ラクエンロジック』4話「自由か束縛か」

1話も色々カッ飛ばしていて凄かった『ラクエンロジック』だが、4話がもうほんとにいくらなんでも凄すぎて唖然とするしかなく、年に一度はこういう事があるからテレビアニメを見ないわけにはいかないなと思える回だった。事ある毎にその存在を思い出しては感…